8月の、最初の方、まだ月齢が浅い時に美ヶ原高原へ行きましたが残念ながら天体観測できず・・・。
8月はそのまま猛暑に入りました。
長野でも暑かったです。
夏の夜に冷房を入れないと寝苦しい感覚は、はじめてでした。
8月の中旬・お盆の頃は長野の気温も上がり、そして月は天体観測の時間に夜空をまたぐ時期でした。
月齢もどんどん大きくなっていきました。
月齢が大きいと月あかりで星の観測が不自由になってしまう。
・・・。
・・・ ・・・。
せっかく長野にきたのに星が観えない。
なにしろ5月に観測した星空が忘れられないのですから、長野に来て星を観なければ、東京へ戻るにもどれない。
Contents
美ヶ原高原での星空観察 リベンジ
次の新月に近くなる8月末を待ち、かつ天気を待ちます。
長野に来たのがお盆の前、8月の5日ごろ。
8月は3週間ぐらい夏の時期、信州にいました。
それが、今年だからかなのかはわかりませんが
山間部、山がある地域は夏ですと昼と夜の寒暖差が生まれるので、昼間に晴れていても、夜は水蒸気が発生して曇りやすい気がしました。
天体観測のタイミングをはかり、昼間はずっと天気予報とにらめっこです。
やはり昼は晴れて暑いのですが、夜の天気はいつも曇りがち。
いつの間にかお盆も過ぎ・・・
なんとなく夏の活気も盛りを過ぎる頃・・・
夜には虫の鳴き声が聞こえはじめ・・・
夕立の回数も減り・・・
ですが、夏は終われないのです。
星を観るまでは。
8月の最終週の日曜日でした。
大好きな星空スポット、夜の美ヶ原は22時頃までは、晴れ時々曇りの予報。
そのあとの天気予報は、はやめの秋雨前線かまたしばらく曇りか雨の予報。
月末の新月の日も曇りか雨の予報。
もう一度、月齢をよく確認します。
月の出の時刻と南中時刻をもう一度よく確認してみます。
「つまりは、天体観測にあたり、月は完全な新月でなくてもよい」というのが今回、月齢が26ぐらいでも天体観測に行った理由になりました。
8月23日ごろに天体観測に行った日は、
月は深夜の0時頃に東側地平線からのぼってくる。
そして月が南中するのは明け方。
(参照:国立天文台 暦計算室)
予報で空が晴れて、星が観えそうな時間帯は22時頃まで。
その間に月は夜空に現れないので空は暗いはず。
ということで、月末の完全な新月の日ではなく、新月になる1週間前ぐらいの夜に天体観測へ向かいました。
お盆を過ぎてからずっと秋雨が顔をだし昼間も曇りか雨。
先日やっと日中晴れたので、掃除をして布団を干しました。
掃除をしたのでなんとなく心もすっきりしたので、でかける心は万全です。
朝はやく起きて温泉へ行き、神社へお参りして、
お昼過ぎまでは夜のためにお昼寝。
13時くらいに起きてもう一度、スマホで天気を確認します。
こちらのサイトはけっこう詳しく天気を調べることができました。
(参照:道の駅 美ヶ原の天気)
夏の山の場合、いや夏に限らないのかもしれませんが、
どんなに最近の予報が昔より精度がよくても、
山、それも頂上の天気の予報は、直近でも予報が難しいのだと思います。
後で書きますがとても天気が変わりやすい夏山でした。
美ヶ原高原へ天体観測に出発
今回こそは天体観測をと、
14時くらいを目安に出発。
出発先の方から眺める山、
何か、てっぺんが平らではないですか!?
あそこ住みやすそうです。(画面中央にある前後が山にはさまれたあたりです。)
すごく平らで、標高も眺めもよさそう。
そんな感じで、出発です。
晴れていれば、8月終わりの信州でもだいぶ暑いです。
東京と違ってむし暑い感じではないのですが日差しが強いです。
気温も普通に32℃あたりです。
外の空気はさわやかでも車の中はすぐに日差しで暑くなります。
それで、車の窓を全開にして道が下り坂になると、
風が気持ち良いです。
なんかグライダーで滑降するような感じで風が吹き込んできます。
汗がかわく。
風を感じながら、もう夏も終わりなのかなぁと車のラジオをつけると、
ラジオのパーソナリティが季節のことを話しておりました。
「もう夜は涼しくなってきましたねー」
そっか、みんな感じることは一緒なんだ。
地方局のローカルラジオです。
「あんなにお盆の時期は、暑くて、でも夏も一瞬でしたね」
風が乾いて、むしろ夜は寒いとラジオから聞こえてきました。
確かに、夜は寝るときに、もう上掛けがないと寒い。
先日なんか夜の気温は15℃まで下がっておりましたから。
ラジオから流れる曲が、「夏が過ぎ風あざみ・・・」と
少年時代が流れてきました。
もう夕方にせまる田舎の長い車道・・・
運転しながら視界に入る田んぼの緑もこれから金色に色づくのだろうか・・・
入道雲にまじって、空の色が高くなり秋の薄い雲もみえはじめているなぁと感じました。
死にたくなる・・・。
ラジオから流れてくる歌の歌詞で余計に。
それでも、いやいや、まだまだ心は夏模様だと。
そう言い聞かせて、どんどんと峠の上をめざします。
夏の星を観ないと死んでも死にきれない。
山へ登っていく道の途中に放牧地がありました。
まだ夏っぽい風景だなと感じます。
とても牧歌的です。
目的地の美ヶ原への標識が見えてきました。
まだ行きの時点では、晴れるかは行ってみないとわからない雲行きでした。
どんどん運転を再開して、標高がどんどん高くなり耳がキーンとしてきます。
明らかに車の窓から入ってくる風がもう冷気・・・
冷たいクーラーのような冷風。
1時間くらいゆっくりと車でのぼっていき、美ヶ原高原に到着です。
4:30頃につきました。
まだ美ヶ原の道の駅は営業していました。
お腹がすきそうなのでスナック菓子をひとつ買います。
観測スポットの近くにお手洗いがないので、道の駅でお手洗いをすませ、下界ですと暑くて着れなかったインナーを中にはきます。
予報では夜は10℃~8℃くらい。
ただ、まだ夕方は涼しい、ひんやりという外の空気の肌触りです。
天体観測に来ている以外の人たち、道の駅に寄るついでに高原からの景色を眺めるような人たちは、半そでの格好で歩いている方もいました。
5月依頼、だいぶここに来ているので、過ごす勝手はだいたいわかってきました。
ポイント
山本小屋に泊まらない人は、美ヶ原高原美術館の道の駅でお手洗いに行っておく。(山本小屋の宿泊客でないとそちら方面のトイレは利用できません。)
美ヶ原 星空観察・撮影スポット
美ヶ原高原の星空・天体観測スポットは、
上に掲載した地図の左下、美ヶ原高原ホテル山本小屋方面(山本小屋 ふる里館)で、山本小屋にある駐車場から15分ほど歩いた先にある「美しの塔」 付近の広場がおすすめです。
16:30にアモーレの鐘の音が夕方を告げました。
ちょっとだけ道の駅、美ヶ原高原美術館側に車をとめておみやげなどを見ましたが、
個人的には、美しの塔あたりの下界から切り離された雰囲気が好きなので、そっちの場所の方へ心は急ぎます。
ですが少しだけ、美術館的な物を写真に収めました。
ぁっ…!
レンズキャップをつけたまま撮影してしまったことに気づきます。
二眼レフはキャップの取り忘れがあります。
大切なネガフィルム、27枚中1枚を使ってしまいましたが、こうやって意地でもブログにのせて現像した写真は有効活用です。
撮り直し。
角度が良かったと後からみて自画自賛です。
空と雲の青さが造形物を引きたててくれました!
聖火ランナーみたいですね。
道の駅の美ヶ原高原美術館の入り口あたりに建っていたオブジェでした。
ということで、山本小屋(美ヶ原高原ホテル)方面の駐車場へ車で向かい、美しの塔へ移動です。
美ヶ原高原美術館から美しの塔まで歩いても行けますが、徒歩ですとおそらく30分くらいはかかりそうな距離だと思います。
車ですと、近くの山本小屋の駐車場まで5分ぐらいです。
山本小屋(美ヶ原高原ホテル)の駐車場から美しの塔まで、徒歩で15分ぐらい。
山本小屋の駐車場に着くころに陽は良さそうな位置へ西に傾いてきておりました。
途中で夏季限定なのか、山本小屋の露店がでていたので、切り干し大根のおやきを買います。
おやきを食べながら塔までの道を歩き考えます。
おやきって外地は小麦粉、
信州でいうところのパンみたいなものなのかなと思いました。
パンみたく、中に入るのがクリームではなくて、野沢菜ですとかナス、野菜がはいったパン。
違うでしょうか。
どちらにしても美味しくて手軽に食べやすいので、ちょっと小腹を満たすのに良いサイズの食べ物、信州のおやきです。
食べ歩きながら、トンボが飛んでいるのを見つけました。
やっぱ秋かぁ・・・。
で、例えばですが、食の話になりますが、この高原にときたま現れる虫たち。
なんか、
ジメーっとした東京でみる虫と違って、
ふと「食べれるんじゃないか」と、
見ているとそんな感覚というか錯覚にすらなってくるので恐ろしい。
土地の空気になじむってこういうことだろうかと考えました。
旅行番組で外国に行ってしょせんゲテモノと呼ばれるその土地の食べ物を食べるシーンを思い出しましたが、その場にいて、しかもそこがすんなりなじめばいけるのではないか、と。
さっきの道の駅の売店にもイナゴの佃煮がありました。
童心に返って虫を眺めてみると、この場所だと怖くないかもしれない。
イナゴの佃煮を食べれるかといえば、それは、実際は難しいのかもしれませんが・・・、食べ物に対する見方、その土地にいるだけで変わる感覚の違いは面白いものだなぁと思いました。
そんなことを思いながら、またぶらぶら塔までの道を歩き、
放牧されている牛たちを遠くからながめます。
のどかだなぁ。
平安時代にも放牧地として、美ヶ原は存在していたと知りましたが、どうやってこんなところまできたのだろうか。
歩いていると後ろから、ピューっと口笛が聞こえました。
誰か観光客だろうか?と、どこから聞こえるのかなぁと立ち止まっていると、
ながめていた牧場の草原の向こうからポニーが数頭、走ってきます。
おお、8月の頭、その時は曇っていて星は観えませんでしたが、こないだここに来た時に、持ってきたカゴに入ったものをなめまわしにきたポニーと一緒なのかな!?
口笛を吹いたのは、牧場の方のようでした。
何か餌をあげていたようです。
3匹くらいで食べていました。
美しの塔がみえてきます。
太陽も良い感じの角度です。
やっぱり、ここは晴れているとすごい景色・・・。
美しすぎる・・・。
まだ塔と太陽を一緒にカメラにおさめる角度ではないので、広場のベンチに腰をかけて空を眺めます。
塔の周りにいた観光客は、ぽつりぽつり、ひとり、ふたりぐらいの気配です。
5月にきた時よりも当たり前ですが、太陽の落ちる角度は違います。
だんだん陽が落ちてきましたが、
今回は、塔と夕日を重ねることができた角度でした。
すごい・・・
この景色も一瞬で終わります。
入道雲が空にいてまだ夏だと安心し、
そして、千切れ雲をみつけて秋の気配に寂しくなる・・・。
そんな季節の変わり目を感じる空でした。
まだ風が心地よい気温、
さわやかな肌ざわりでした。
行きに途中のスーパーで買ってきた小さ目の量の缶ビールをあけます。
こんなに景色が綺麗な場所で飲むビールはさすがにおいしい・・・。
沈んだ夕日が美しく雲に色をつけていました。
オレンジ色に染まった、うすめの雲は秋を知らせます。
天体観察、星空撮影のはじまり
18:30頃、ここから空が暗くなるまで、ほとんど人もおりませんでした
いても数名。
もう暗いのではっきりとはわかりません。
夕日をながめていた観光客は帰っていきました。
残るのはガチで星を観るような人たちです。
しかも、天気は夕暮れで空の明かりが薄くなるなか、
なんとしだいに曇り・・・
というか霧・・・
さすがに薄暗くなってきたのでちょっとだけ怖い・・・。
それでもしばらくじっと場所にとどまり、空を見上げていたら、だんだんと空の色もかわってきました。
しばらく完全に陽が落ちた濃紺の空をながめて、ベンチに仰向けで寝ていると、サーっと移動する光が空に確認できます。
光が綺麗に移動している。
「あ、たぶんあれ人口衛星だ」と思いました。
夕日が綺麗だったから、もう山の向こうの落ちた太陽の光に反射しているみたい、と。
あきずにしばらくその人口衛星が空を移動するのをながめます。
そうすると、また別のところにも移動する星が・・・
「あぁ、人口衛星多いな」
いや、
これは・・・!
そっか、
「雲が流れているんだ・・・。」
と、
ああ、
人口衛星でなくて、雲の流れている隙間から見え始めた一等星だったんだと・・・。
人口衛星と思っていた空の一点だけ観ていたので、
ふと、別の部分の暗くなりはじめた空にも視界を移動させると、そこは夜空の真実がいつの間にか観えはじめておりました。
人口衛星と思っていた天体に見惚れていたら、
いつのまにか、
だんだんと空が暗く深くなり、
星がいつの間にか増えていたのです。
「ああ、明るい星なんだろう・・・」
うーん、
さそり座のような、
最初は早見表がうまく使えないので、なかなかわからなかったのですが、
しばらくして、「木星」とわかりました。
あ、5月に観た時と同じだ、さそり座付近に木星がまだある。
しかし、木星はほんとうに明るい・・・
写真を拡大すると木星の光がフレアに写っています。
✶←こんな感じで光ってます!
5月に観た時の星空の位置がまだ空に残っていることに、
秋のはじまりを感じた季節の変わりの目の寂しさとは別に、
まだ季節は完全に秋に変わっていないという安心感もあったのです。
空の色が深まると、どんどん星がきらめきはじめます。
8月の終わりでも、夜になったばかりの時間は本格的な夏の星座。
夏の大三角形がはっきりと頭上にありました。
5月にこの形を観たときは、もう深夜もだいぶ過ぎた時間だったので、
そういった部分では季節と時間の変化も感じます。
王ヶ頭(おうがとう)
美ヶ原には「王ヶ頭(おうがとう)」という地名があります。
美ヶ原で標高が一番高く、王ヶ頭ホテルという宿泊地もあります。
王ヶ頭ホテルと信州一体のテレビ電波をカバーする電波塔があるのですが、
晴れているとこんな感じです。
右端の方、電波塔が建っております。
王ケ頭(おうがとう)という名もあり、美ヶ原でいちばん標高が高い場所ですから、
遠目から見るとなんだがラスボスが住んでいそうな雰囲気の場所です。
ゲームだと最後に攻略する要塞でしょうか。
夜になるとホテルからのオレンジ色の明かりで幻想的でした。
怪しい雲の色と相まって、
さらにラスボス感が・・・
さらに夜になって撮影をしてみると、
山が噴火して溶岩が流れたような感じになりました。
まるで爆裂魔法で吹っ飛ばしたみたいです。
星を撮るのと同じように、
絞りをF4ぐらいにして、露光撮影でだいたい60秒ほど、正確に時間を計ってなく、頭の中で数字を数えただけですが、
そうしたらこんな感じに写りました。
恐怖・・・霧中の美ヶ原
そんな感じで、王ヶ頭からあやしい雰囲気が漂うなか、
空を見上げると、
かなり天の川がはっきりと観えてきました。
夏と秋のはじまり。
南西のさそり座付近から天の川が空へ向けてのびはじめて、頭上、夏の大三角の間を走り、
そのまま、北、
カシオペア座の方まで、
ぐるんと銀河が夜空を一周しております。
これが夏の星空の魅力だなぁと感じます。
すごい・・・。
360℃、全天候を写せるレンズで一度、夜空を撮影をして、天の川の横断を写真に残してみたい気になります。
星空に見惚れておりましたが、それもつかの間、
さきほどの、あやしく光っていた王ヶ頭の雲が天気を知らせたのか、
空の機嫌はあまり良くなく、観えていた天の川がだんだんと曇ってきました。
だんだんがそのうち、あっという間に曇ります。
この視界の変化のはやさには驚きます。
おそらく山本小屋に宿泊している家族連れだと思いますが、暗闇の向こう側から声が聞こえて、
「一瞬で景色がかわるねぇ」と、
霧に変わった闇のどこかから、そんな話し声が聞こえてきました。
ちょっと、さすがに怖い・・・。
星も観えなくなったので、
ライトを照らします。
100円ショップで買ったライトが今回かなり役立ちました。
明かりをつけると、
光の中には、細かな、霧の水滴が舞っておりました。
ミストサウナのような感じです。
肌では感じないのですが、
暗闇の中で光を照らすとこんなにも霧が舞っているのかぁとちょっと感心します。
スマホの予報だと、
22:00までは晴れ間がみえるとのことでした。
霧になって変化した雲の流れも少し待っているうちにまた晴れてきました。
今回いちばん綺麗に撮れたのは、
この写真です。
この空がどっちの方向か覚えてないのですが、
おそらく、南西のさそり座付近だと思うのですが、近くの明るい木星が写ってません。
フレームから木星が切れたのか、
もしかしたら、頭上の夏の大三角形の天の川あたりかもしれません。
しかし、すごい。
今日は観測できる天候は22:00頃までだと思われるので、
シャッターの露光を早めに使って、ネガも短い時間ですべて使いました。
気づいたらいつの間にか27枚を使い切っていたようです。
北は北斗七星とカシオペアが綺麗に左右にそろっておりました。
カシオペアの先にあるアンドロメダ星雲あたりは、まだ地平に近く、そしてその場所は曇っていて、この日は観測できなかったのが残念です。
21時頃になると、
また霧が発生しました。
しかも今度は濃い・・・
一瞬で濃霧。
美しの塔にある鐘は、
遭難を避けるために、霧が発生した際、塔にある鐘の音で方向を知らせるものだと聞きました。
さすがにこの濃霧をみて、
美しの塔がある本来の存在理由がわかった気がします。
ライトを照らしても、2.3m先ぐらいしか見えない。
「さすがに怖い」
周りが濃霧でライトの光も届かずに、ここが標高2000mの場所とあらためて考えると、
すこし閉塞感がすごい・・・
閉じ込められた感・・・
なにこれ・・・
ゲームのサイレントヒルを思い出して怖い・・・。
美ヶ原は、天気が良くて空が開けていると、とても解放感があるので、夜でも星を観ていればあきることがまったくなく、
晴れていれば怖さはないのですが、
濃霧だけはすこし苦手でした。
山の上に取り残された感がけっこうありました。
霧に閉じ込められて方向がわからなくなる感覚は嫌でしたね。
天体写真家さんたちの声が聞こえるので誰かはいたみたいですが、
これからどうしようか・・・。
予報では22:00までは晴れ間があるとのこと。
その時が21:00、
この霧ではさすがにもう晴れないかなと、
またいつ晴れるのかわからない天候の回復を待つ気持ちもあったのですが、
濃霧に包まれる怖さ、いつまで閉じ込められているのかわからず、戻りたい気持ちに負けてしまい帰り支度をします。
忘れ物がないか、いた場所付近のライトを照らすと、カメラの三脚や荷物を積んでいたプラスチック製のカゴが水蒸気の露でかなり濡れておりました。
これは夜空を写しても、カメラのレンズも結露でダメだったかもしれないと感じます。
19時くらいから空を眺めて、21時、今回の観測は少ない時間だったぁとやはり残念です。
それと同時に、5月に来た時はよく飽きずに夕日から朝日まで一晩中星を観ていたなとも思いました。
それだけ夜は星の存在だけが頼りなんだと感じます。
星が観えないとなにもない・・・。
星さえあれば飽きずに、時間も忘れてずっといられるんだと、星空のありがたみにしみじみしながら帰宅準備です。
ですが・・・!
その日、おかした過ちは、
濃霧の中で動いてしまったことかもしれません。
たぶん山に慣れてない私のような人はまっさきに遭難するタイプだと感じました。
いちばん霧が濃い時間帯に帰り道を探したのです。
美しの塔の輪郭はなんとなく闇夜でもぼんやりしていたのですが帰り道がわからない・・・
牧場の柵に沿って道があったので、その道を行けば駐車場までたどりつくと思っていたのですが、
いつの間にか塔のまわりをぐるぐる、うろうろしておりました。
霧が濃いとまったく方向感覚がわからなくなるものだなと感じました。
それで、霧の中、照らしていたライトから突然あらわれる天体観測の人たち、
いきなり近くに現れるのでビクっとします。
向こうも怖いと思いますが、すいませんって言いながらまた別の方向を探します。
やっと帰り道、来た時に道にあった案内板をライトでみつけたので、見つけた道をまっすぐに、砂利道を照らして帰りました。
誤って違う道に入ってしまったら、真夜中ずっと怖い思いをしたことは容易に想像できました。
道に迷った後、駐車所につくと山本小屋(美ヶ原高原ホテル)の玄関から声が聞こえます。
ちょうどこれから天体観測ツアーがはじまる様子でした。
山本小屋の前には大きな反射式望遠鏡も数台ありました。
すごい、本物をはじめてみたかもしれません。
いいなぁ覗きたい・・・と思います。
もう曇っておりますが・・・。
天体観測ツアーの案内のおじさんが、
「野生のシカ以外にも、丘を越えれば霧が晴れて星がみえるかもしれません」と団体客に声をかけておりました。
この濃霧の中でこれから天体観測に行くのか・・・
野生のシカがいるのか・・・
そういえば、なんか動物のにおいが・・・する気がする。
言われると気づく嗅覚って面白い。
でも、これ牧場の牛のにおいじゃないかな?
そんなことを考えながら駐車場にとめてた車に戻ります。
しばらく車の中にいましたが夜空は晴れません。
うーん・・・
やっぱり今日は帰ろう。
ということで10分ほど待って車を動かします。
いいんだ。
夏の星座を観れたし。
言い聞かせてエンジンをかけます。
車を下り坂へ走らせます。
しばらくすると、
ふと視界に入る空・・・
空が晴れている・・・!
さすが山の天気。
さっきの天体観測ツアーの人たちも霧が晴れて観れてるってことだ良かったなぁと思いつつも、
やっぱり、
それでもってまだ星を観ていたい・・・!
山の下り坂、
途中で登坂車線の逆バージョンのような車を止められるちょっとしたスペースがあったので、そこに一時停車をします。
さっきの濃霧とかわって、山の道の中ですので夜空の視界は狭いですが星が観えます。
さそり座方面の木星も輝きを放ち天の川がさっきと同じように頭上を横断しております。
ほんとに夏は雲の流れがはやいんだなと感じました。
さっきの濃霧はあっという間になくなっておりました。
ですが、さすがに再び、美しの塔まで引き返すエネルギーはなく、車をとめて外に出て星を眺めておりました。
誰もいない、車もほとんど通らない山の中の道路。
左右は山、
なんだが、気配するし・・・
おそらく野生生物でしょうか。
熊とかきたら怖いし、このままでいようかどうしようか迷います。
怖さと星をみたさ・・・
いったん車の中に入り、やっぱり帰るかなと発進させます。
ですがカーブの時にところどころ視界に入る空の星が気になってしょうがない。
運転も危険ですし、しばらく進むと、バスの停車場と書かれているスペースがありました。
ここはさっきよりも空も広く、停めるスペースもある。
こんな山の中にバス停があるわけでなく、おそらく冬にチェーンかなにかを装着をしたり、後ろの車をわざと追い越させるためにバスがとまるようなスペースだと思います。
さっきみたく動物が怖ければ、車の窓をあけてそこから顔を出して星を観ればよいかと思いました。
車をとめて、また天体観測のはじまりです。
車の窓を全開にして顔を出して、ドアを枕に上を見上げると首が少し痛いですが良く観えます。
天の川綺麗。
夜空をながめながら、星好きが感じる天体観測の基準をふと考えました。
天体観測って、私にとっては、
天の川が観えるか観えないか、
なのかなぁと思います。
天の川が観える夜空は、レスランでいえばとっても美味しい三つ星レストラン。
それだけ、
この細かな塵のような星の集まりの天の川を、いままで住んでいる空気が悪いところでは観ることができなかったのです。
やっぱり、天の川が観える星空は私にとっては天体観測の一番のだいご味です。
観ていて飽きないのです・・・。
車から頭だけを出して星をながめていると、途中、車が数台通り過ぎます。
なにしろ、真っ暗闇の山道に車を停車させているので、車のライトを感じると、いそいでハザードとこちらの車のライトをつけて一時停止していることを知らせます。
数台、なんでとまってるの?って感じでノロノロ走りでこっちの様子を確認する車もいましたが、
まあ仕方ありません。
「なにしているの?」
「天体観測です。」
そんな言葉にはない会話をして車をやりすごします。
しかし帰れない。
予報の22:00過ぎは曇り。
22時を過ぎてもむしろ空はもっとはっきりしてきた気さえします。
夏は天気の変化がはやく予報も難しいんだなと感じます。
そんなこんなで、しばらく、30分ほどながめて、また空にガスが出てきたなぁと感じで、
やっと下界へ戻る気になりました。
なんとなく、
最後は、
綺麗な夜空のイメージのままで帰りたい。
曇ってもう終わりとあきらめるよりも星があるうちに帰った方が良いかなと、
なかば言い聞かすように車を下り坂へ走らせます。
下りの30分ほど、
空が気になってしかたなかったのですが山道はさすがに視界は木々で遮られ、
民家の明かりがみえはじめるくらい下の場所まで車が降りてから空をみると、
まだ若干晴れておりましたが、だいぶ夜空も霞んでいました。
スマホの天気予報では午前2時くらいまで晴れ間がみえると予報が変わっておりました。
きっとまだ上の方でねばっていたら観れたかなと後ろ髪をひかれながら、真夜中過ぎに家に帰ったのです。
夏の美ヶ原高原 天体観測・星空観察 まとめ
夏は水蒸気が発生しやすく雲、特に濃霧がはげしい。
美ヶ原は場所的にも、近くに霧ケ峰があります。
霧ケ峰という名前のとおり、霧が発生しやすいようで湿地帯も存在します。
ですので、夏の美ヶ原は、一晩ずっと好条件で天体観測は難しい気がしました。
たとえ一晩晴れていたとしても月齢の関係もあります。
新月に近い時に一晩中天候が良いのは、よほど気象条件が良い夏の日なのかもしれません。
5月、梅雨の前、ゴールデンウイークのあたりは、
空気も乾燥していました。
5月ですとまだ気温は、真夜中だと真冬なみ(体感で真冬、5℃ぐらい)でしたが、ずっと星空が観えました。
おそらく、きっと秋も空が澄んで素晴らしいと思います。
秋であれば、真夜中を過ぎればもう冬の星座が顔を出して、オリオン座や冬の大三角形など、
大きくてわかりやすい星座も観測できると思います。
天体観測は、心を癒してくれます。
ただ、無心になれます。
日常に頭の中に流れることも、些細なことに思えて、感じてきてしまえて、
いや考えるという概念すら忘れて、
ただただ、星を追いかけるだけになれるあの感覚が大好きです。
天体写真 フィルムカメラを使った星空撮影の方法
今回、撮影した中でいちばん綺麗だったのはこの写真でした。
●ポイント
・ネガフィルムISO800
・露光時間90秒前後
・絞り:F4
・焦点:無限(∞)
フィルムの画素(感度)・ISO800を使いました。(市販ですと27枚撮りで800円くらいです。)
カメラの絞りはF4にしました。
露光撮影時間は90秒~120秒の間ぐらいでした。
だいたいの感覚で頭の中で秒数を数えていたのですが、それぐらいです。
2分だとちょっと長くて、星が線になりはじめてしまうかなと感じます。
ですが、これはお好みです。
線になって映るのもそれはそれで良いです。
感覚的には露光時間は約90秒くらいかなと思いましたが、正確な秒数は計っておりません。
どうしても撮影で残しておきたい星空のポイントがあったら、90(1分半)~120秒(2分)の間の露光時間で、撮影を試して残しておくことが良いかなと思います。
撮影する時はこんな感じです。
シャッターを押す長い線のような「シャッターリリース」はシャッターを切る時にブレないように必要な部材です。
ちなみに三脚はカメラ屋さんのジャンク品コーナーで100円で買いました。
あとは夜の撮影ですとレンズの結露防止にカイロを使ったり、最近だとUSB充電器経由でレンズを温めるカメラ用レンズウォーマーなどもあります。
補足:天体観測・星空観察で役にたったサイトとアプリ
記事中にものせましたが天気や月齢を調べるのに使ったものになります。
月齢:(国立天文台 暦計算室)
美ヶ原天気:(道の駅 美ヶ原の天気)
星図(スマホアプリ)
・Star Walk – ナイトスカイ: 星座と星(iPhone)
・Star Walk 2 Free – 夜空ガイド(Google Play)
以上になります。
濃霧のなかでの恐怖の天体観測「夏編」になりました。
ここまで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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