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いつか見た星空をもう一度みたい「諦めた夢ってなんだったろう」

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心のどこかにあきらめていた夢ってありませんか?

夢と漠然と言われても、あきらめていた夢ってなんだろうって、そんなことをさかのぼって頭に浮かんだのが子供の頃の夢、「天文学者」だった。

品川のファミレスで先生たちと話す。

今さら、天文学者って、ほんとに小さな、子供の頃に抱いた夢で、

郁(いく)は幼稚園にあがる前から体が弱く、病気を抱えており、小学校に上がっても母に連れられ、授業を途中で退出して都心の大学病院まで連れてかれていたのです。

ある日の病院の診察が終わった帰りに、ふと池袋のサンシャインプラネタリウムに連れて行ってもらったのです。

あれはなんだったのだろう、

「あっという間」に世界が広がった気持ち・・・。

東京都下の郊外に住んでいた郁は、星空なんてみたことがなくて、プラネタリウムから見えた星空というのは、今まで見たことのない、吸い込まれる世界でした。

神秘的で、不思議で、美しくて、

どこまでも深い星空がとても印象深く、プラネタリウムの売店で買ってもらった星座早見表に興味深々で、あんなにワクワクした気持ちってあっただろうか、

思えば、天文学者が最初の夢だった。

何を今更、そんな子供の時の夢を叶えるって、大人になった今、考えたことはありませんでした。

夢なんて忘れるくらい絶望の日々で

思えば、子供の頃の夢なんて、それこそ「夢物語」であって、天文学者になりたいという気持ちも、お金にならない仕事なんてダメだと親から一言で片付けられ、いつか郁自身も大人になるにつれて忘れていった。

あんなに純粋に、ただ星空を眺めていたい気持ちが、夢を見ることなら、

そんな気持ちを大人になってから抱いたことがあっただろうか。

 

 

思えば、何もかも捨てる毎日だった。

 

 

夢を見ることなんてとっくに忘れて、会社に雇われ、職場の人間関係に悩まされ、こころが壊れ、あげくに体もどんどん壊れていく毎日だった。

昔から、会社で働く人間関係には苦しんだ。

どちらかというと人に合わせるタイプの人間で、いつも人の顔を伺っては、ビクビクして、人に強く言えなく、人間関係に消耗しきってしまう性格だった。

私の理想は、ゆっくりといつまでも綺麗な星空を眺めていられるような、そんな平穏な毎日がただただ欲しかった。

見上げれば神秘的で美しく、飽きることのない星空、何にも邪魔されずにずっと眺ることができたのら・・・。

具体的にそう思っていた訳ではないが、

私が現実を否定しながらも心のどこかで抱いていた気持ちは、平和に星空を眺めるような生活だった。

嫌な上司の顔も、周りの悪口も、噂話も、仕事の押しつけあいも、

遥か彼方の星空は、そんな日常はたいしたことでないような、嫌な物から遠ざけてくれるような、

ずっと寝転がって、柔らかく乾燥した空気の、いつか、長野の田舎ではじめてほんとうの天の川を観ることができた、あの夏の星空に、また、出会えればと思った。

何にも邪魔されずに、自分に嘘をつかない気持ち、体の重みがスッとひいていく、そんな感覚をもう一度味わいたかった。

人生であきらめていたことに向き合ってみたい、そう思ったのは、体が仕事のストレスで切実に悲鳴をあげてしまった時だった。

私には、何ができるかな、その時は今このようにいつかの夢である星空を眺めることについて語れるとは思ってもいなかった。

 

出会ったのはブログ書きだった。

 

大人になってから、ぼんやり漠然と物書きになりたいとも思っていた。

今さら、天文学者になれるわけではない、でもいつか、趣味でもう一度、星空を見上げることはできるだろう。

そんなあきらめていた夢を、もう一度思い出す。

ブログ書きは、いつかの夢を思い出すようなワクワクした出会いだった。

もともと、あまり話さない、話しても口下手、でも好きなことについては話してみたい、そして好きなことをしながら生きて行くこと、もうどうしようもない人間関係にあきらめていた生活から、もう一度、夢を現実にして生活すること、

それをこのブログ書きで叶えることができたとしたら?

そんな嘘のような気持ち、いつか見たプラネタリウムの星に惹かれていくような気持ちを、もう一度思い出したのです。

届くのであればあの星空にもう一度、手を伸ばしたい、そんな気持ちでした。

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