郁は、なにが正しい選択か、わからないまま、
ブログの世界へ飛び込み、書くことの楽しさを知り始めてきたのです。
ブログを武器に、感情を綴る、
それだけで、良かったのかもしれない・・・
だが、それだけで終わらない感情、
ひとつのことを知ると、今までの世界が違うように見えてくる・・・。
それは、郁にとっては職場だった。
いままで、心のどこかで我慢をしていた、それが郁自信、我慢なのかも気づいてなかった。
ずっとずっと、我慢は美徳と思って生きてきた。
会社だってそうだ、
派遣社員だからと甘えずに、社員の役に立って、サポートできるように、
過去、お局にいじめられて、すぐやめていった派遣社員をふたたび生み出さないように、繰り返さないように、
入れ替わり入ってくる人、できるだけ、助けようと思った。
別に格好つけていたつもりはない、
私は、ささげるしか、生き方をしらなかった。
それが、どこか、潜在意識のなかで、郁じしんが行っている行為に対して、どこか見返りをもとめていたとも知らずに・・・
それをどこか知っていたのに、気づかぬフリをして生きていた。
心の中では、助けてあげたい、教えてあげたい、過去、郁がわからずあたふたし、恐怖を抱いた仕事の経験をできる限り和らげてあげたい・・・
ほんとうだったのだろうか、ほんとうにそうだったのだろうか・・・?
いやな感情がどこかにめばえる。
「ほんとうは、嘘をついているのだ。」
どこかで、頑張ることが、仕事ができるように認められたい、良い人でいるように思われたい、
派遣なのに社員よりも頑張ってるね、と思われたい、言われたい、
自己献身が高い人間だと思われたい、
きっと、きっと、ずっとそういう生き方しかできてなかったのだろう。
おもえば、それは、歪んだ家庭環境のせいだったのかもしれない、またいやな過去がよみがえる。
小学校にあがる前、両親が離婚した。
母は、ただ、父への意地で、3人の子供をひきとった。
そこに子供への本当の愛があったのだろうか、
見栄っ張りの感情・・・
母はひとりで育てる厳しさに直面し、お酒に逃げた・・・
郁は、歪んだ自己献身しかしらなかった。
ただ、ただ、お酒に溺れる母の機嫌をうかがい、不安を素直にさしだす場所もなく、
我慢をして、堪えることだけ、
それで、その場がおさまれば世界は平和だった。
そんな昔の感情がつながり、だんだんとリンクしはじめる。
郁が、必死に現実を変えようと、あの時、職場で働いていたこと、経験もない技術の現場で社員とおなじくらい、経験者と同じくらいに覚えてやろうと思っていたことは・・・
もしかしたら、ただの、承認欲求だったのではなかったのかと、どこか気づきはじめていた。
後から入ってきた、こんな言い方は、申し訳ないが、話し方が馬鹿そのものである、猫なで声で可愛く話すことしかできなそうな、大嫌いなぶりっ子しいが、なんの知識もないくせに正社員になったことに、
どうしようもなく嫉妬した。
ねえ、仕事を教えたのは私でしょ・・・
理不尽、そう思ったことも正直な感情、
いらだち。
ただ、だが、根底にあった気持ち、
そう、必死に頑張るのも、ここにいるやつらを認めさせようと・・・
私はそうしていただけだったのではないか、と、
気づきはじめてきていた・・・。
そう思い始めると、どんどん会社にいる意味がわからなくなってきた。
好きでもない人たちに、いったい私の何を認めてもらいたいのか、
席を離れて、その場にいない人の悪口、陰口を言うような人間に、私のなにを認めてほしいのか、
なぜ、そんな人たちに理解を得ようとしているのか、
ブログ書きで、ほんとうの感情を綴ることを知ってきたことで、とどまっていた世界の感覚が変わってきてしまった。
もう、それは、戻すことはできない感情だった。
そして、私は、周りの人間がほんとうに嫌いなのだともはっきりと気づいてきてしまった。
嘘の自己献身で面倒をみていた、他の後輩もまったく可愛いと思えなくなった。
なんの得もない、ただ、ただ、私は、面倒な案件を引き継ぎ、
何も言わずに仕事を引き継いでくれて・・・
もしくは進んで引き受けてくれて・・・
間違っても怒られもしない、
私は、まわりにとっては都合の良い人間だけだったのだと、
そう気づいてしまった。
それでも、見てみぬフリをしていたのだが・・・
知らぬフリをして会社にいたのだが、
心は堪えた、
誠実であれと、なんども言い聞かせた、
きっと我慢の先に、もっとちゃんとした働く意味を見つけられると、
ここにいた意味をみつけれらると・・・
社員になって、好きだと思っていた人にささげようとも・・・
嘘でも、そう、なかば願うように祈っていた・・・。
だが、向き合うことを恐れた感情を、心が堪えても、
体が耐えてくれなくなってしまった・・・。
むかしから弱かった肌が、どんどんボロボロになっていった。
どうしようもなく、荒れてくる・・・
皮膚科に通い、保険適応最大限の量の薬をもらい、
朝、昼、夜、三度、体に薬を塗布し続けていた。
昼なんて、会社のトイレでの処置は、狭いので、近くの大きいホテルの個室へむかい、
服を脱ぎ、乾燥する肌に、処方された薬を使用した。
昼休憩なんて、皮膚の処理をしていたらあっという間に時間も過ぎてしまう毎日だった・・・
どんだけ、心を我慢しても、我慢の底を突き抜けた感情が、体にあらわられていることは、体感としてわかってきていた。
職場で集中ができなくなる。
今まで、できていたこともできない。
何度も、メールの送信先を間違える・・・。
どんどんメールの文面に誤字・脱字が生まれはじめる。
正しい書き方もわからない・・・
日本語の書き方がわからない・・・
たった3行で伝わるような内容ですら、何十行にも連ねた、長い長い文章になってしまっていた・・・。
打刻を何度もミスる。
いつしか・・・、もう、無理・・・と、
いままで、できる限りに仕事を教えていた後輩へも冷たい態度をとってしまっていた・・・
血液の検査も繰り返し受けていた。
検査結果は、去年の6月、造影剤を投与してMRIを受け、精密検査をした時の数値とほとんど変わっていなかった。
半年以上、経過しているのに改善しない焦り・・・
年を越えて、書いていたブログのアクセスを経験した時に、仕事とは全く別の、自分の力で書いたことに反応がある喜びを知った・・・
職場でうわべで感謝される言葉、嘘で演じていた誠実・・・
どちらがほんとうに人間らしいだろうか、
もう、他者を軸にして、自分の価値をはかる生き方に限界を知り始めていた。
ほんとうの自立って、こんなことじゃない・・・
もし一生懸命はたらいて、望みどおりになれなくても、ほんとうに心が自立している人間であれば、きっと、こんな現実をみても笑って過ごせたはずだ・・・
これも経験だったね、と、
だが、私は綺麗な人間ではない、不誠実で、醜い、あいかわらず、働く自分の価値を職場に求めて生き続けて、他者に承認をゆだねるどうしようもない人間だった・・・
言葉にしなかったが、考えだしたらとまらなくなった・・・
その感情をとらえたかのように、体がどんどんと反応し、どんどん崩れていってしまう感覚だった。
綴る楽しさを知り始めた時に、
その時いた現実、私の心の中、そしてまわりの環境の歪みがどんどんはっきりとしていった。
「仕事をやめたい」わきはじめた感情はとまらなかった・・・
心を開放したい・・・
それが逃げなのだろうか、私はきたない人間なのだろうか、
意志の弱い、逃げてばかりで耐えることもできない、
欠陥人間なのだろうか、
悩む、悩みきった・・・
このまま、どこまで落ちていくのだろうか・・・
結論はでなかった・・・
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