こんばんは、郁です。
「あなたの人生、片づけます」を読書しました。
タイトルで手にとってしまった本でして、掃除と心の問題について、私のブログで書いたことをとてもタイムリーに感じる物語でした。
※ネタバレがありますので閲覧にご注意ください!
「物を片づけることでわかる、生活に不要なもの」あらすじ
この小説は、単純に掃除の仕方について書いてある作品ではないです。
ケース1からケース4まで、それぞれのケースで登場する人物が片づけを通して、生活のなかで本当に不要なものに気づき、人生を片づけていくのです。
十萬里(とまり)という、片づけ屋のおばさんが、片づけらないと依頼をうけた人物の元に伺い、
片づけられない本質を気づかせる物語です。
モノ捨てることで、本当は何を捨てなくてはいけないのか考えること
例えば、ケース1に登場する、物がゴミで溢れかえる独身OL、綾子の話ですが、
綾子は捨てられない彼氏がおりました。
ひとりで暮らす綾子の家には、いつか結婚をするために買い揃えた家具や食器がたくさんあるのです。
綾子の母親から片づけの指導を受けた片づけ屋の十萬里は、綾子の部屋に訪れて、部屋が汚い原因をさぐっていきます。
物が片づけられない、捨てられない原因というのは、うまく行かない彼との関係を断てなという本質があったのです。
彼と暮らすために買い揃えた家具や食器、インテリア、
でも、付き合っていると思っていた相手は、浮気しているかもという、そんな見てみぬフリをしている状況があったのですね。
十年近く付き合って、(つもりで)一度も彼が部屋に来たことがないなんて、そりゃ一人暮らしでは使いきれない家具や食器はどんどん不要なゴミになり、いくら高級な食器でも、
部屋にあるだけ、二人暮らしが実現しない現実を確認するだけで、そこに気づかなければ心も病んで、ゴミも溜まっていきます。
十萬里が解決をしたのは、いつまでたっても煮え切らず、そして先も見えない綾子と彼との関係を断つこと、
別れを理解させることでした。
別れを理解させることで、綾子は、本当に捨てなければいけないもの、つまり、彼を捨てます。
生きる上で余計な重荷、足かせに気づき、モノではなく心の中に住んでいた要らない物を捨てるのです。
ですので、単純に、モノを捨てたから、人生が片づく、スッキリするわけではなく、
そこにあるモノがなぜ今まで存在したままなのかを知り、捨てることで本当の捨てる意味がわかるのです。
捨てる行為をしながら、人生に不要な物について向き合い、そして心の中にある不要な物も捨てていくのです。
綾子は捨てること、それは、いつか彼との生活を思い描き、それだけのためにつながれていた家具、食器、でも実際には使わない物をどんどん捨てていくのです。
捨てることで、綾子の生活のなかで何が要らないモノなのかを、本当に理解していくのです。
最後は、浮気していた彼を捨てるだけでなく、綾子を都合よく利用していた女友達も捨て去る部分は読んでいて気持ちが良い作品でした。
私も、仕事を辞めることで、家の修理に時間をかけることができて、そして、片づけることができなかったゴミを捨てたことで、
どんどん生活の中で不要と思うものを捨てることができたと、思い出しながら読みました。
結局、死んだおじいちゃん、おばあちゃんが残していった着物、洋服、家具、食器、庭木などがいつまでも押し入れや、棚に残っていた私の家というのは、何十年経とうが、二人のほんとうの死を、私も含めて家族も受け入れてなかったのだろうと、捨てながら感じました。
もちろん一緒に生活している母もそのはずです。
それは、経済力のあった、祖父、祖母にどこか依存して生活し、あの時は今よりも良かったと、
そう心のどこかにあって、いつまでもいつまでも、今の現実を認めることができずに、
もうあの時のように余裕のある生活はできないはずなのに、
それを現状で、できもしないのに追いかけていた。あるはずもない蜃気楼が心の中にあったのだとそう認識しました。
気づくのに何十年・・・正確に言えば、25年ですか・・・、
人の死を受け入れるのってすごく長いことなのですね。
いくら高価な食器でも、モノでも使わなければあっても無駄、なぜとっておくのか、
その本質を探ると、モノの価値に囚われている部分よりも、過去に囚われて捨てることができないのだと、
それは過去だけはないのです。
現在にも不要なモノ、
この本を読んで、私は、会社と人間関係を断捨離したんだと気づきました。
もう、ほんとうに要らない、
会社なんていらない、会社の人間関係なんていらない、
必要な人は必要なのかもしれませんが、私はほんとうに要らない。
→過去、会社の人間関係を断捨離した記事はこちらです。
そう思える本ですし、私がブログで伝えたい捨てることが、この本で物語としてドンピシャに描かれている作品でした。
捨てたいけど捨てられない心がある方、ぜひ一読してほしい作品です。
いつまで経ってもスタートが切れないと、変わらない、と、そんなもやもやした気持ちがある方、
もう思い切って、すべてをリセットする気持ちで、ぶち壊してみませんか、
きっと、絶対にすっきりして、人生を片づける心の準備ができると思います。
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